最近、おなかの調子はいかがですか? 実はほかの季節と比べて、夏は便秘で悩む人が増える季節だそうです。
女性は男性よりも便秘になりやすく、ビオフェルミン製薬の調査によると20代~50代では約4割もの女性が日ごろから便秘で悩んでいるのだとか。
また、夏になると、普段は便秘知らずという人でも、なんとなくおなかの調子が悪い、ということが増えてきます。
そこで今回は、この夏を快適に過ごすための便秘解消法について
・夏の便秘の特徴とは?
・便秘解消に役に立つ栄養素にはどんなものがあるの?
・その栄養素はどんな食べものに含まれているの?
・イタリアンで便秘は解消できるの?
この記事では現役イタリア料理研究家でもあり、さらに栄養士でもあり、国際薬膳士、マクロビインストクターでもある【おがさひでこ】が「夏の便秘」解消や対策についてわかりやすくお伝えいたします。
オンラインレッスンでは“夏の便秘”を解消して、おなかをすっきり整えるメニューをご紹介していますので、どうぞ最後までご覧くださいね。
夏の便秘を引き起こす“かくれ脱水”に注意しよう
女性が便秘になる原因はいくつかありますが、夏はさらに別の要因が加わります。
夏に便秘が悪化する要因=【一般的な要因】+【夏の要因】
女性が便秘になる主な要因
一般的な要因 | 夏の要因 |
・女性ホルモンの影響 ・冷え ・ストレス ・腹筋が弱い ・ダイエット |
“かくれ脱水” |
夏に便秘の人が増えるのは、【かくれ脱水】のせいです。
夏場は汗っかきの人はもちろん、汗をほとんどかかないという人でも、気づかないうちに脱水状態になっていることが多いのです。これが“かくれ脱水”です。
腸内の水分が減ると、便が硬くなり、ますます便秘になってしまいがちです。普段から便秘ぎみの人にとって、夏場はさらにツラい季節と言えそうですね。
“かくれ脱水”を防ぐ上手な水分補給とは?
“かくれ脱水”を防ぐポイントは2つ。
- こまめな水分補給を忘れずに!
- カフェインや糖分、アルコールを含んだ飲みものは、脱水のもと
まずは、上手な水分補給の仕方を見てみましょう。
便通改善のためには、以下のような飲みものがおすすめです。
・水
・牛乳
・ハト麦茶 など
汗でメイクが崩れたり、服に汗ジミがつくのがイヤ、と水分をとらない人も見受けられますが、水分をとらないことにはさまざまなリスクがあります。もちろん、大腸内の水分不足によって便秘のリスクも高まります。
なお、一度にたくさん飲んでも、余分な水分は体内に吸収される前に尿として排出されてしまいます。コップ半分の量を1時間に1回、が目安。少しずつ、こまめに水分を補給することが大切です。
お通じを良くする水分の役割とは?
水分は便のかさを増し、その結果、腸壁が刺激され大腸のぜん動運動を活発にしてくれます。ぜん動運動とは、大腸が排泄のために伸びたり縮んだりを繰り返しながら便を押し出す運動のことです。
ところが、口から入った水分のうち約9割は小腸で吸収されてしまい、便を形成・排出する大腸に到達するのはわずか1割程度なのだとか。水分不足で長時間大腸内に便がとどまると、腸内環境は悪化、ただでさえ足りない便の中の水分が大腸に奪われてしまい、ますます硬くて出づらいものに。
「喉が渇いていないから平気」という声が聞こえてきますが、夏になると便秘が悪化する人は、水分摂取量が少ないのかもしれません。
便秘を悪化させるNG飲みもの
コーヒーやジュース類ばかり飲むのはNG。カフェインや糖分、そしてアルコール類には利尿作用があり、脱水の元凶となります。また、冷たい飲みものは体を冷やします。冷えも便秘の原因の一つ。とり過ぎには注意しましょう。
規則正しく、バランスの良い食事は必須
実は、人は1日に摂取する水分の約5割を食事から摂取しているそうです。日本人の大人が1日にとる水分は飲みものと食事を合わせて平均2.2ℓ。つまり、1.1ℓは食事からとっていることになります。夏こそ食事をしっかりとることが大事なのです。
便秘解消のための食事の3つのポイント
便秘解消のための食事のポイントは3つ。
- 朝食は欠かさずに! 規則正しい時間に食事をとる
- バランスの良い食事を心がける
- 暴飲暴食を避けて適量をしっかり!
食事を抜くと、ぜん動運動が起こりません。朝食後はもっとも便意を感じるときなので、特に重要です。夏バテ気味でも、忙しくても、昼、夜だけでなく、朝食をしっかりとりましょう。
また、暴飲暴食を避けるのはもちろんですが、少食も便秘を引き起こします。少食は、排せつを促す水分も食物繊維も足りない、ということです。適度な量の食事によって便のかさが増えないと、腸は刺激されないので排出が促されず、おなかの中で便がどんどん硬くなってしまいます。暑くて食欲がわかない季節ですが、しっかり食べることが肝心です。
便秘解消に効果的な食べものとは?
便秘解消が期待できる食べものといえば、食物繊維や発酵食品が思い浮かびますが、ほかにもこのようなものがあります。
便秘解消の効果が期待できる主な食べもの | |
種類 | 例 |
食物繊維 | 海藻類
きのこ類 穀類・豆類・いも類 |
脂質 | オリーブオイル えごま油 ごま油 チーズ類 ナッツ類 など |
発酵食品 | ヨーグルト・チーズ類 納豆・味噌・醤油 など |
ビフィズス菌を 増やすもの |
バナナ 玉ねぎ にんにく アスパラガス ライ麦 など |
有機酸*を多く 含むもの |
レモン キウイ梅干し食酢ヨーグルト など |
*クエン酸、リンゴ酢、酢酸、コハク酸の総称。
大事なのは、これらを上手に組み合わせながら食べること。
【食物繊維】が腸内環境の改善に役立つことはよく知られています。日本人が1日に摂取する食物繊維の理想的な量は、女性で17g、男性で19gとされていますが、現代日本人の平均的な摂取量は14g程度。昭和30年頃の摂取量と比べると約3割も減少しているとのこと。もっとたっぷりとるための工夫が必要ですね。
【脂質】が便秘解消に効く、というと意外な気もしますが、脂質の中に含まれる脂肪酸が大腸を刺激し、排便を促してくれます。
【有機酸】を含む食品は酸っぱいものが多いですね。この酸っぱさが腸の運動を活性化してくれるのです。
ダイエットのためにオイルやチーズなどの乳製品を抜いてしてしまいがちですが、腸内環境を整えるためには、これらの食品も適度にとる必要があることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
イタリアンで“夏の便秘”知らずの体をつくろう!
イタリアの人々は、日本人よりも便秘になる人が少ないと言われています。なぜなのでしょうか?
オリーブオイルは、便秘解消の強い味方!
イタリアンに欠かせないオリーブオイルは、実は便秘解消の強い味方。大腸まで吸収されずに届くので、潤滑油となります。また、豊富に含まれているオレイン酸は大腸のぜん動運動を促してくれる優れものです。イタリアでは便秘予防のため、子供のころからティースプーン1杯のオリーブオイルを飲む習慣があります。スープやサラダの仕上げにたらりとかけたり、パンにつけて食べるのは、オリーブオイルとともに暮らしてきた人々の知恵なのです。
ナチュラルチーズも忘れずに
パルミジャーノなどのナチュラルチーズは、発酵食品で乳酸菌が豊富。パスタやリゾットには欠かせませんよね。
食物繊維の豊富な野菜やくだものは、積極的にとろう
イタリア人は日本人以上に野菜やくだものを食事に取り入れ、上手に食物繊維をとっています。カポナータには、夏においしい緑黄色野菜がたっぷり使われていますよね。最近、スーパーでも出回っているビーツは、水溶性食物繊維も豊富な食材。ビーツを使ったリゾットはイタリアではポピュラーな料理です。
“夏の便秘”を解消するオンラインレッスン
イタリアンで上手に便秘が解消できることがお分かりいただけましたか?
食事は水分補給も兼ねているので、夏場は特にさまざまな食材をバランスよく、1日3食、適切な量を規則的にとることが大事ですね。
さて、8月のオンラインレッスンメニューでは、“夏の便秘”の解消が期待できる以下のメニューをご紹介します。
- チャンフォッタフリッタとゆで米
- マグロのソテー、枝豆サクサクパン粉あえ
- 甘酒ヨーグルトのマチェドニア
チャンフォッタは、「ナポリ風夏野菜の煮込み」です。
甘酒、ヨーグルトは発酵食品。キウイは水溶性食物繊維のペクチンを含んでいます。
白米を茹でることで糖質カットにも繋がります。枝豆は食物繊維が豊富ですし、チャンフォッタには、抗酸化効果の高い緑黄色野菜たっぷり使っています。
今回は栄養士・国際薬膳士の視点から「夏の便秘解消」に必要な栄養素や食材をお伝えしました。
季節に合った美肌効果や健康に役立つ食材が気になる、その食材でサッと作れる料理とレシピに興味がわきましたら、
「3ステップミニマムイタリア料理クオーレ」オンラインレッスンでご紹介しています。
オンラインレッスンなので遠方の方も気軽にご参加いただけますよ。
まずは体験会にお越しくださいね。
https://italian-cuore.com/contact/
まだまだ暑い日が続きますが、きちんと対策して、すっきりヘルシーに乗り切りましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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